ネガティブにデータサイエンティストでもないブログ

経済統計屋。気分悪くなったらごめんなさい (´・д・`) ゴメンネ データサイエンティストという呼称が好きじゃないんです https://twitter.com/dscax

ビッグデータを取り扱う人間が、ビッグデータなんかに操られて一体どうするのという警告3つ

あけましておめでとうございます。ようやく今頃になって休暇とれたので、新たな計画の祈願に初詣してきました。しつこくも去年のまとめと、立ち位置を確認させてください。

 

まず、このブログで書こうとしている中身は、テーマはなんであれ、基本的に、この世を見通して、防御力や回避性能をあげていきましょうよという主旨です。攻撃力をあげていこうぜ!という話ではありません。そもそもモチベーション低い人間ですから、その目的は、生存であって成功ではありません。10回に1回、大勝利することよりも、10回に9回、負けても平気であることが大事なのです。基本ベクトルは成長ではなく持続です。(←本業に限ります。ブログはいつ燃え尽きるかわかりません。)

 

しかしながら、現状維持では劣化という名の重力により危ういので、それに逆らう程度には上向いております。キャリアポルノというよりは、惑わされずに落ち着きましょうという類のエナジードレイン、キャリア鎮静剤的として、お読みいただければと思います。それゆえに、前向きに捉えようとする方や、成功を求めている方からして、気分の悪いことが多々あるかと思います。そのへんはほんとにごめんなさいね。後ろ向いて後退しているだけなんで前進はしているはずなんですけども。

 

今年も新たな目標を掲げて世に挑みます。

 

ちなみに昨年の計画はご存じのとおり、「ビッグデータやデータサイエンティストの万能セクシー感に文句ばっかり言ってみる」でした。

 

冗談です。

 

昨年、言いたかったことをおさらいしておきますと、

 

セクシー職業とかバカ言ってないで、知識労働なんて、もっと地道なもんでしょ。地に足つけて頭つかってデータを扱う者が、いちいち吹けば飛ぶようなトレンドに煽られてどうするの。そういうのって煽られてるものじゃなくて、本物だったら、こっちが予測して操作するものでしょうよ。他人の尻を追いかけてないで、その前を歩く者なはずでしょう。作らされた万能感と期待感に踊らされてる時点でもう遅いんですよ。ついでにいっておくと、人間にとって変化はたしかに必要だけれども、変化ばかりしていても何もスキル身につかないよ。メディアみたくポリシー捨てて、コロコロ意見を変えていく人間って(戦略的に必要かもしれないけど)地に足じゃなくて、足に血がついていると思うよ。

 

です。若干、関係ない部分もあえて混ぜてますが気にしないでください。もちろん本物な方も少なからずいるでしょうが、データサイエンティストやビッグデータを連呼してトレンドやブームに操られてる方なんかを市況で見ると、ミイラ取りがミイラになってんじゃねーよ、とムズムズすんだよという主張でした。

 

これは計画じゃなくて愚痴でしたので、訂正いたしますと、昨年の計画は「自分に近しい職業や業界の未来を予測して、向こう3年間くらいに備えた計画を立てるためのデータと調査報告書を作る」でした。そのへんは達成しましたし、それらの成果物を差し上げた歴々らが材料にして、適当な本書いて出版するかもしれません。だけど、もうブームも過ぎてるし売れるかな。もう私のものじゃないので口出しませんが。私としては副産物で経済予測が少しスキルアップしたくらいです。その方面はもうそろそろやめにして、次の時代に備えて粛々と準備していきましょう。

 

で、

 

ビッグデータ専門誌が発刊されるそうですね。そこで、この方面のメディアに対して警鐘を鳴らしたいことが二つあります。

 

一昨年あたりからの変化として、いつのまにかビッグデータが、伝統的な情報システムと同義になってしまっているように見えて、なんとも微妙な感じがしています。ただし、情報システムをなめんなという意味で、です。主客転倒してませんか。システムでもコンピュータでもITプロでもいいのではないかと思います。

 

一つめは、

「なんとか会社が、なんとか級のビッグデータに挑む!」的な内容の煽りテーマと記事は不要であるということです。キャッチっぽく見えるけど、実務している人間からすると、そういうのは、まったく重要じゃないです。経営者だってそう簡単に焚き付けられませんよ。なぜなら、そんなの今までもたくさん起きては散っていったからです。もちろん、挑む権利を外野の誰が止めるものではありません。

そうじゃなくて、ビッグデータというからには、その先が重要です。その挑戦した後、どうなったのか、結果の追検証がほしいわけです。ぜひメディアには検証もセットにしてトレースした誌面づくりをお願いしたい。ビッグデータなんだから試行回数と検証こそが大事なはずですよね。

あれって、結局なんだったの?という言いっぱなし投げっぱなしがメディアの基本習性でしょうけれど、ビッグデータというからにはデータがあるわけですから、しっかり後日検証をやってほしいという願いです。そうすることで失敗だって意味が出てきます。それなら史上もっとも価値あるメディアとして絶対買うのですけども。構造上、無理ですかね。せめてビッグデータと言うのなら、誌面と反応くらいはしっかりと分析くらいしてくれますよね。

 

 

二つめは、

オラの村には、処理しきれないほどのビッグなデータあって困っているズラ自慢

と、

ビッグデータだって余裕でさばけますシステム作った俺SUGEEEE自慢

は、頼むからやめてくれ、ということです。一体、誰の得なんでしょうか。

 

それ、語っている本人のためですよね。言い方悪くて誠に申し訳ないんですが、愚か者自慢なんですか?だって裏を返せば、前者は機会損失のことだし、後者は遊休設備の嘆きですよ。

 

だから、どうしても言いたいのです。

 

そのデータはあなたの顧客のことであって、自己満足しちゃいけないものですよ。

 

データを食料に置き換えてみれば理解できると思います。データも食料も飯の種ならば同じことです。食料を、データを、設備を、無駄にして、それを誇ってはいけません。ですから、せめてデータを超えて、その先にいる血肉、人間を意識して向き合ってほしいと願います。ただのデータだと軽んじずに。

 

だから

 

3つめ、

「気持ち悪い」では新たな可能性を探れない

とかメディアがいってちゃダメなんですよ。ほんと何もわかっていないですね。気持ち悪いと思っている輩に、食料を、データを差し出す人がいるわけないでしょう。対立を煽って一体どうするの。双方に利益と信用を得られるよう、メディアがトレンド作れなくて一体なんのための存在理由なんですか。発展を阻害することですか。

 

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敬意を払え。データと人に。さらなる段階へ進め。

 

 

EUやUSがどうであれ、誰かに作られたトレンドに踊らされずに、業界の中身ある持続的な発展を希望しています。

 

新年から、文句ばっかりいってごめんなさいね。